僕が電気工事の勉強をはじめたころ疑問に思ったことを今回は記事にしました。
「アース付きコンセントというものがあるが、ひとつひとつアース線で地面につながっているのかな?」
上記のような疑問に答えた内容になっております。
接地の役割
接地の役割は、漏電による感電事故から人体を守るためです。接地工事をすることで感電事故を防ぐことができます。
アースなしの場合
冷蔵庫を例に解説します。なんらかの原因で電気が冷蔵庫から漏れ出てしまったとします。
接地工事をしていなかった場合、不具合ある冷蔵庫に人間が触れてしまうと、人体を通って大地に電気が流れます。これが感電です。
感電してしまうとケガを負ったり、電気の大きさによっては死に至る場合があります。この感電を防ぐために電気工事士は適切な接地工事を行う必要があるのです。
アースありの場合
接地工事をすることで感電を予防することができます。なぜそうなるかを解説します。
電気は抵抗の小さい方に流れるという性質があります。
したがって、人体に5500Ω(状況によって変化する)とD種接地の100Ω(300V以下は接地抵抗100Ω以下)を比べると抵抗の値が小さいD種接地であるアース線の方に電気が流れることになります。
そのため漏れ出た電気は人体を通らずアース線に流れるため、感電を防げるということになります。
接地極接地端子付コンセント
上記イラストが接地極接地端子付きコンセントです。接地極と接地端子がついたコンセントです。
コンセントの裏側には電源線である2本(白と黒)とアース線(緑)の線が差し込まれます。それぞれ電源と接地極に接続されることでその効果が発揮されます。
コンセントの接地
僕が最初疑問に思ったのが上記イラストです。すべてのコンセントに接地極が打ち込まれたアース線がついているのかな?と思っていました。
しかし実際には次で紹介する集中接地という形で効率化されています。
集中接地
電盤の簡略図です。
分電盤の下の方にある差し込み口の一番左側を見てみてください。
一番左の穴に接地極が打ち込まれたアース線が接続されています。その他の穴はすべてつながっているので、差し込めばアースをとれるという構造になっています。これを集中接地といいます。