新築や引っ越し先など、エアコンがついていない部屋に新しく取り付ける工事です。
現場によって、はじめからエアコン用の穴がある場合と、
まだ穴が開いておらず自分であける必要がある場合があります。
この「穴あけ」があるかどうかで作業の難易度が大きく変わります。
穴がない場合は、壁の構造を読みながら慎重に進める必要があります。
壁の穴あけ位置・筋交い・排水勾配・電線の位置など、最も慎重さが求められる作業です。
建物の構造を読む力を養うことで、失敗のリスクを防げます。
壁の穴あけ作業の基本
エアコン新設工事では、配管を通すために壁に穴をあけます。
この穴あけの精度が仕上がりを左右します。
壁の裏側を確認する
まずは、穴をあける前に壁の中を確認します。
筋交いや電線、配管を傷つけないための重要な工程です。
確認方法の例としては次のとおりです。
- 建築図面で構造材(筋交い・柱)の位置を確認する
- 小さな探り穴を入れて中を目視で確認する
- 近くのコンセントプレートを外して、中の空間を覗いてみる
壁の裏側を確認することで、構造の安全を確保できます。
穴あけ時の注意点
穴をあける際には、**「排水勾配」と「内部確認」**の2点に注意が必要です。
1. 排水勾配を意識する
配管を通すための壁の穴あけや、ドレンホースの取り回しでは、
外側に向かって少し下がるように勾配をつける必要があります。
もし勾配が水平や逆勾配になっていると、
水が室内に漏れることがあります。
僕自身はまだやったことはありませんが、
他の業者さんが勾配を誤って水が室内に漏れたという事故事例を知っています。
このような失敗例を知っておくことで、意識して慎重に作業できるようになります。
2. 電線への注意
穴をあける真後ろに電線がある場合があります。
そのため、内壁だけを先に抜いて中を確認するようにしています。
確認すると、実際に電線が通っていることがあり、ヒヤッとする瞬間です。
僕の先輩の中には、電線をコアドリルで切ってしまったという話もありました。
それ以来、どんな現場でも確認を怠らないようにしています。
使用する工具
壁の材質(プラスターボード・木材・サイディングなど)によって工具を変える場合もありますが、
基本的にはコアドリルひとつで対応できます。
内壁を貫通した後は、すぐに外壁まで抜かず、
一度止めて中を確認することをおすすめします。
ポイントのまとめ
- はじめから穴があるかどうかを確認する
- 穴がない場合は、壁の構造を読んで慎重に穴あけする
- 排水勾配を外に向かって確保する
- 内壁を貫いたら中を確認してから外壁を抜く
- コアドリルは慎重に扱う
- 穴あけ後は防水処理までしっかり行う
まとめ
エアコン新設工事は、技術だけでなく“確認力”が求められる作業です。
小さな気配りや手順の積み重ねが、結果的に安全で美しい施工につながります。
修業時代には、こうした基本を繰り返し学び、
「確認してから動く」という習慣を身につけておくことが大切です。



