今回はルームエアコン工事で使う配管について解説します。
ルームエアコン工事の現場では「2ぶ3ぶ」とか「2ぶ4ぶ」といった言葉が話されています。日常生活では耳にしないのでなじみがないと思います。
この「2ぶ3ぶ」などは銅の配管のことです。ルームエアコンでは2本の異なる銅管が1セットで使用されます。そして2ぶ、そして3ぶとはその配管のサイズのことを表しています。
ルームエアコン工事では、「2ぶ3ぶ」と「2ぶ4ぶ」しか使用しませんので、この2つを覚えておくのが大切です。全部おなじ配管を使うと思っていると施工不可という困った状態に陥ってしまうので注意が必要です。
エアコンの配管
エアコンは冷媒ガスと呼ばれるガスが配管と機械を循環することで冷たい風や温かい風を出すことができます。この冷媒ガスの通り道がエアコンの配管です。材質は銅でできています。
エアコンは家の中にある室内機と家の外にある室外機で構成されています。室内機と室外機に配管が接続されています。この配管は2本つながっており、細い管と太い管があります。
ルームエアコン工事では、この細い管と太い管のペアは2種類あり、それが前述の「2ぶ3ぶ」と「2ぶ4ぶ」です。2本で1セットなのでペアコイルと呼ばれています。
ルームエアコン工事を行う職人はどのエアコンにどの配管を使うかを知っていないと仕事ができません。
2ぶ3ぶ
2ぶ3ぶは比較的容量の小さなルームエアコンで使う配管です。この配管の外径は2ぶが6.35㎜で3ぶが9.52㎜です。この数字を覚えておくと配管を購入するときに役立ちますのでぜひ覚えておいて欲しい数字となります。
エアコンの能力でいえば2.2キロ~5.6キロまでのエアコンはこの2ぶ3ぶを使用します。5.6キロまでは2ぶ3ぶと覚えておくとよいです。
外径は2ぶが6.35㎜、3ぶが9.52㎜
5.6キロまでが2ぶ3ぶを使用する
2ぶの表記は1/4、3ぶは3/8
2ぶ4ぶ
2ぶ4ぶは6.3キロ以上のルームエアコンに使う配管になります。外径が2ぶが同じく6.35㎜で4ぶが12.7㎜です。
ルームエアコンでは2ぶ4ぶまでしか使いませんので、5.6キロまでが2ぶ3ぶ、6.3キロ以上が2ぶ4ぶと覚えておくと仕事で困りません。
4ぶの配管で困るのが配管の形をつくるとき、曲げすぎると折れてしまうことです。配管を曲げるときに使う部材であるベンダーを使うことをおすすめします。
外径は2ぶが6.35㎜、4ぶが12.7㎜
6.3キロ以上は2ぶ4ぶを使用する
4ぶの表記は1/2
配管を接続する
フレア作業
エアコンの配管を室内機や室外機に接続するためにはフレア作業をする必要があります。
このフレア作業とは、接続する部分の配管をラッパ状に広げる作業をいいます。
配管を延長する
エアコンの配管がどうしても室内機や室外機の接続箇所に届かないといった状況がエアコン工事をしていると遭遇することがあります。
そんなときはエアコンの配管を延長することができます。今回は2つの方法について紹介したいと思います。
ユニオンを使う
ユニオンと呼ばれる接続部材があります。
2ぶ、3ぶ、4ぶ用のものがありますのでこれらを使って延長することができます。
溶接する
ロウ付けと呼ばれる作業です。いくつか溶接の方法はありますが、ルームエアコンであればトーチバーナーであぶってリン銅でロウ付けするのがやりやすいかと思います。
まとめ
今回はエアコンの配管について解説しました。
ルームエアコンは、2ぶ3ぶと2ぶ4ぶしかありませんのでこの機会に覚えておくとよいと思います。
僕自身も経験ありますが、5.6キロのエアコン取付の依頼でお客様宅へお伺いしたところ現地においてあったのは6.3キロのエアコンでした。
手持ちの2ぶ4ぶがありませんでしたので、近くのホームセンターなで購入しに行くことになってしまいました。非常に時間の無駄でした。そうならないように事前に予備で車に積んでおくくらいはした方がよいと思います。